物価上昇が続いています。
店頭販促において、価格よりも商品の本質的な良さを訴求したいといった相談をいただきます。
今回はドラッグストアやスーパーで販売されている家庭用品メーカーさまがクライアントの、店頭ツール制作の提案事例です。
[事例の背景]お客様企業の課題
衛生商品などの家庭用品を扱うメーカーさまがクライアントです。そのクライアントからのオリエンを受けて販促ツールを提案しました。お題は、一言でいうと「今、販促の現場で必要とされている新しいツールをデザインしてほしい」でした。
提案は、トップボード定番棚まわりのボードやスイングPOP、仕切りツールのほか、エンド什器や吊り下げ什器など多岐にわたり、十数枚のスケッチをそえた提案になりました。メインとなる定番棚まわりのツールや実物サンプルをアテンションにしたツールが採用されました。
販促ツールのプレゼンでは、デザインや機能を裏付ける理屈が必要です。いつものことですが、当社の販促ツールの企画開発チームが、デザイン設計の裏付けのためのデータ収集をはじめました。
今回は特別に、メーカーさまの商品を扱うことがある店頭スタッフさんを集めて販促ツールに関するアンケート調査を行いました。アンケートは以下のような内容です。
スタッフさまアンケートの主な内容
- 売り場で使いやすい販促品は?
- 設置しやすい販促品のサイズは?
- 実物見本POPは効果的か?
スタッフさまへのアンケートは、販促ツールの機能やデザインを開発する作業の中で貴重な情報源になりました。
[提案のプロセス]必要とされている機能やデザインは何かを探る
スタッフアンケートと店頭リサーチを実施
実際に店頭ツールを使って、お客様対応されているスタッフさんにヒアリングすることで、店頭販促ツールに対する具体的な課題感を共有しました。それから、「現場で必要とされているツール」がどんなものかをイメージしていきました。
スタッフさんへのアンケートに加えて、商品が置かれている店舗の店頭リサーチを行いました。店頭リサーチとは、実際の店舗で販促ツールがどのように展示されているか、商品棚やエンド什器についての、「お客様目線での情報収集」です。
売り場には、競合他社の商品が並んでいます。お客様は、さまざまなメーカーの商品を、「比較検討して、購買商品を決めます」ので、競合商品の情報集めは特に重要です。売り場の状況を共有しながら、クライアントと打ち合わせを重ね、ツールあで人のアイデアをブラッシュアップしました。
以下は、提案作りの考え方です。
1 売り場リサーチで店頭販促の課題を抽出
売り場をリサーチして、ツールの効果・機能について現状の課題を整理。購買者目線で、店頭での実体験をベースにすることで、デザインや機能の改善が、よりリアリティのある提案になります。
2 アンケートから求められる機能を絞り込む
広告との接触時間が短い店頭では、販促ツールに情報や機能を詰め込みすぎると逆効果です。店頭スタッフさんからのアンケート回答に基づいて、ツールの訴求内容や機能を絞り込みました。一例ですが、実物サンプルや、取説不要の組み立て簡単店頭ツールのアイデアに好意的であることがわかりました。
3 購買ターゲットに焦点をあて、他社と差別化する
今回の商品は、スマホでSNSを楽しむことが多い20代から30代の若い女性がターゲットです。プレゼンでは、他社商品との差別化を目的にインフルエンサーを使ったSNSプロモーションを提案しました。
プレゼンでは、売り場で商品の良さを実感してもらうため、実物サンプルを組み込んで具体的な立体デザインのイメージ案を作成しました。また、意識の高いターゲットに向けたメッセージとして、販促ツールのパーツに環境に配慮した素材の提案も盛り込みました。
[事例の決め手]売場の課題に焦点をあてる
お客さま目線のリサーチが裏付けする販促ツール開発
売り場リサーチやアンケートデータを添えたツールの機能やデザイン開発のコンセプトが、議論を待たずに納得いただけるプレゼンになりました。
スタッフアンケートで浮き彫りになった店頭の課題への対応
店頭スタッフさんのリアルな声を反映し、要望をそのまま形にしていることから、販促ツールの機能性やデザインの論拠が明確になりました。必要とされている販促ツールのデザイン開発にあたり、売場の課題に焦点をあてた提案になったことが導入の決め手でした。
[事例の効果]店頭販促の課題解決ノウハウの蓄積
今回は、店頭スタッフのアンケートデータとセットで複数のアイデアやデザイン案をプレゼンしました。アンケートデータは、ツールだけではなく店頭販促の課題改善のヒントとなり、別カテゴリーの商品への応用できると高評価をいただきました。
ツール納品後に、開発チームは、店舗をまわって納品したツール展開の状況を報告。ツール活用の意識づけにプラスの影響があるリサーチ活動と評価されました。
- 販促課題対策へのノウハウの蓄積
アンケートデータは、店頭販促の課題改善のヒントになります。 - 別カテゴリーのツールにアイデアを横展開
一部のアイデアは別カテゴリーのツールに応用が効くと評価されました。 - ツール活用の意識づけにプラスの影響
開発チームは、店舗をまわって納品したツール展開の状況を共有しました。
[ご利用サービス]事例に関連するサービス
プレゼンにおいて、店頭リサーチは必ず行いますが、クライアントの商品については、オリエンがなくても定期的に売り場を調査しています。
- 店頭ツールの企画開発サポート:専門チームが対応します
- 店頭リサーチ:お客様目線で売り場を分析します
- 店頭スタッフのアンケート:ネットワークを活用して回答を集めます
当社では、上記サービスを提供しています。
[まとめ]お客様目線の販促ツール開発
店頭販促の専門チームは、提案の際に、必ず何店舗も見てまわります。店頭には販促ツール開発における重要な情報があるからです。
そしてクライアントとも打ち合わせを重ね、情報を引き出します。商品を購入されるお客様やクライアントと同じ目線になってはじめて、「今、販促の現場で必要とされているツール作り」が実現できると考えています。
店頭販促における課題をお持ちの企業様は、ぜひ当社にご相談ください。専門チームが、店頭調査をはじめ、必要とされるデザイン・機能を持った販促ツールの企画開発をサポートします。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。